音楽

初見演奏のコツ

2022年4月16日(土)

ピアノを弾けるようになると、いろんな曲が弾きたくなりますよね。

でも、初めて見る楽譜の譜読みが苦手だ~、なんて方、たくさんいらっしゃると思います。

自分的に初見演奏ができているかどうかわかりませんが、ぷりんと楽譜で好きな曲を購入して何回か弾くと一応曲になっているので、完璧さを求めなければ初見でも十分楽しめるレベルではあるともいます。

素人なので、そのくらいの演奏で楽しいのです、十分楽しいんです。

聞いてる方は辛いかもしれませんが…

この初見のコツ、自分では何となく弾いていたのでよく考えたことは無かったのですが、以前紹介した本「ピアニストの脳を科学する」にも、「初見演奏の秘密」という項がありましたので、本を参考にしつつ自分の経験も盛り込み、まとめてみることにしました。

初見演奏と関係のある要因

【初見演奏】とは…

初めて目にする楽譜を見ながら演奏すること

楽譜の視覚情報を素早く処理できる。

「ピアニストの脳を科学する」より引用

”初見が上手なピアニストほど目の焦点が楽譜の一か所にとどまっている時間、つまり固視している時間が短いことや固視する回数が少ないことが分かっている。”

ピアニストの周辺視野はアマチュアよりも広く、目の焦点が合っている音符から先の2~4拍分(1小節)程度の音を認識できているという話。

これは、身体能力的な意味での「周辺視野」も深くかかわっていますが、そのほかにも複数の音符を見て規則性やグループを見つける能力も必要だということです。

楽譜を見て音を正確にイメージできる。

「ピアニストの脳を科学する」より引用

最初に見せた楽譜と、①同じメロディー②似たメロディーを聞かせて、どっちが正解か、正答率が高いほど初見能力が高い、そうです。

これは、当たり前と言えば当たり前なのですが、うちの娘を例にとると、

音をイメージする

練習曲で左手の「ド シ ラ ソ」と書いてある楽譜を歌わせると、娘はちゃんと「ド シ ラ ソ」と言うのに、その歌い方の音程が「ド レ ミ ファ」になっているという…

これは、楽譜上の音はわかっているんだけれども、メロディーとしては認識されていないということになると思います。

頭の中で音楽が奏でられる、これを【内的聴覚】と呼びます。

短期記憶

「ピアニストの脳を科学する」より引用

ワーキングメモリ(短期記憶)という能力が深くかかわっているそうです。

たとえて言うなら「神経衰弱」のカードゲームくらいの記憶。試験当日まで覚えておかなければならない試験勉強までではありません。

ワーキングメモリには個人差がありますが、ここでも、知識によって音符を効率よく覚える方法があるそうです。

たとえば、この曲の最後の部分(赤枠)。

この曲は、イ長調(シャープ3つ)で、最後も「ラ」で終わるんですが、実はこの赤枠の部分の音っていうのは、最初の和音(黄色枠)の分散和音(アルペジオ)であることがわかりますよね。

たまに、この分散和音も音をわざとはずしてアレンジされているものもありますが、この曲みたいに、きちんと分散和音されていると、最後の音なんか架線(五線譜の上の加えてある線)が4本もあって、いったいその4本目の上の音は何なんだ!ってわからないときにも、先ほどの予測から「ラ」で終わるんだろうな…っていうのが予想できます。

正しくは、ちゃんと譜読みしておいた方がいいと思いますが、初見演奏の場合に限っては…というところです。

ちなみに、私も架線が多い音符って苦手なんです。

訳わかんなくなっちゃいます。

先ほどの「楽譜の視覚情報を素早く処理できる」と「短期記憶」と共通していると思われますが、音符の高さを正しく把握することって必要だと思うのです。

ト音記号では

架線2本目の音符が上の「ド」
架線3本目の音符が上の「ミ」
架線4本目の音符が上の「ソ」

架線2本目の音符が下の「ラ」
架線3本目の音符が下の「ファ」

一方、ヘ音記号では

下の架線2本目の音符が下の「ド」
下の架線3本目の音符が下の「ラ」
下の架線4本目の音符が下の「ファ」

このくらいまでわかればいいんじゃないかなぁって個人的には思っております。

こういうのを練習するのには無料アプリが沢山ありますので、そちらでも練習できると思います。

アンドロイド対応では、

・おんぷまなび

・DoReMiNotas  などいいんじゃないかと思います。

適切な指使いを素早く決断できるか。

「ピアニストの脳を科学する」より引用

楽譜には必ずしも、どの指を使えばよいかが記載されているわけではなく、初見演奏ではどの指でどの音符を弾いていくか決める必要があるそうです。

いろいろな曲を弾いているうちに、いろいろな指使いが蓄積されて、多様な指使いで弾けるようになるそうです。

ピアニストは多彩な指使いをパッと出すことができるそうですが、アマチュアの素人ならば、そこまで求めるのは…なので、せめて、音階練習をしておけば運指がスムーズにいくと思います。

毎回、毎回あやふやな違う運指をしていると、脳に指使いがインプットされにくいので、指使いは迷いなく弾くために非常に大切だそうです。

弾きたい曲を練習する前に、その曲の調性の音階を弾く!これで運指もそこそこ解決できるのでは!とおもいます。

基本は音階です。

曲の中の運指も、基本音階練習の指使いでいけることが多いからです。

また、和音感覚というか、コード感覚(調性感覚)も、曲を弾きこなすにあたって出てきますので、音階が身についているとそこらへんの労力を省くことができます。

鍵盤感覚を身につける。

鍵盤を凝視していると、楽譜を見ながらは弾けないので、ある意味ブラインドタッチできるくらいに鍵盤感覚を体にしみこませる必要があるのではと、自分的には思っています。

良く弾きこんだ楽譜は、体に染みついていますよね?

そういう曲を、今度は鍵盤を見ないで、弾いてみてはいかがでしょうか。

ブラインドタッチがうまくできていると、音が極端に端っこの方に跳躍すときのみだけ、視覚を使って鍵盤を確認する、ということらしいです。

鍵盤感覚90%、視覚10%の割合です。

どうやったら初見演奏できるようになるのか。

初見の前に楽譜の予見をする

・楽譜を読み込む
パターン分析とも言うようです。音楽ってAメロ Bメロ サビ などが繰り返し出てきますよね。
そのパターンがわかっていれば、繰り返しで出てきたときに「あっ、これさっきと同じパターンだ」となり、情報処理量が減ると思うのです。
、また、この曲のこの部分をこういう風に弾きたい!など、楽譜の時点で考えておきます。

・音を予想する(内的聴覚)
楽譜から音楽を読み取り、楽器を弾かなくともその音楽が頭の中で予測できることを言います。

・テクニック
運指などもここにあたりますね~。

おすすめ教本

うちにある初見教本は、ヤマハに一時期習っていた時に買ったもの

「ピアノ初見練習曲集」です。

こんなかんじで1曲1ページ(20小節くらいの小曲)が60曲あります。
本の後半は難易度が増していきます。

ヤマハはピアノ演奏グレードが10級~はじまり、5級あたりから指導者グレードも受験できるのですが、この教本はピアノ演奏グレード3~5級の人が対象です。

これだと、超初心者にはちと難しいとおもいますので、ヤマハグレード10級対象のこちらの本から始めてはいかがでしょうか。

こちらのシリーズ10級から6級までそろっているみたいですよ!

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