2023年7月16日
長年使ってきたヘンレ版の『ベートーヴェンソナタ集 Ⅰ』の表紙が切れてしまいました。
表表紙の縁が切れてる。
背表紙が割れてきている。
裏表紙も切れている。
放っておくと、背表紙が完全に割れた際には元に戻せなくなってしまうし、
また、ヘンレ版の表紙自体も紙質が軟いため、ボロボロになりやすいです。
ヘンレ版のベートーベンソナタ集は、確か現在5,500円くらいするはずです。
めちゃくちゃお高いので、2冊目を買う、という選択肢はないし。。。
となると、考えるのが『自分で修理する!』です。
SNSで聞いた修理アドバイスを元に、自分でも試行錯誤しながら
楽譜の修理を行いました。
方法は人によって違うと思いますが、今回『ニチバン』さんのカバーフイルムを
実際に使用して記事にまとめていました。。
ヘンレ版の楽譜をカバーフイルムで修復する!
ベートーヴェン ピアノソナタ集(厚め)に合うカバーフイルム
ヘンレ版の楽譜っていうと、A4サイズだけど、厚さが他の楽譜よりも厚いので
『カバーフイルム』を購入するときは気を付けて買う必要があります。
結果から言うとずばりこのタイプが良かったです。
ロールタイプだと、楽譜の厚みに関わらず自分の好きな長さにカットできるので、いいと思います。
もう一つ買ったものは『シートタイプ』のこちら
シートタイプは、350㎜×510㎜にカットされているタイプで、ベートーベンのピアノソナタを補修しようとしたときに
表紙の折り返し部分が 1cmくらいしか余裕がないのです。
じゃぁ、全部でどれくらい長さが必要かと言うと下図の通り ↓ 56cmは必要じゃないかと思います。
23.5(幅)× 2(表と裏)+ 2.4cm(厚み) + 余白 3.0㎝ × 2 ≒ 56cm
表紙の折り返し部分とは、こちら ↓
そんなこんなで幅と厚みを足しただけでも50cmあるということは、折り返し部分を割とたっぷりとると
『シートタイプ 350mm×500mm』では、横幅が足りない気がします。
*ベートーベン以外のそんなに厚みが無いヘンレ版楽譜だったら「シートタイプ」でも
いけると思ってます
ニチバン フイルムカバー 貼り方
ニチバンのフイルムカバーは、本をカバーするフイルムの片面に粘着剤がついていて、粘着剤にはさらに剝離紙が貼ってあり、
剥離紙を剝がしながらカバーしたい表紙に、フイルムを貼っていきます。
剝離紙には、方眼目盛がついてます。カットしたいときはこれを参考にしてカットします。
剥離紙はこんなかんじです ↓
必要な長さにカットする
先ほどざっと計算したように、幅・厚み・余白を全部足して出た長さにカットする。
カットする際は、薄いブルーの方眼を参考にカットしていく。
折り返す部分に折り目を入れる
表紙裏にフイルムカバーを折り返して表紙を補強するのですが、あらかじめ、剝離紙一体のまま、折り目をつけておきます。
折り返し部分の剥離紙(3cm)を残すため、切り離す
折り返し部分の剥離紙は、一番最後に表紙裏に貼るので、それまでは剥離紙がついていた方が色々作業しやすい。
よって、余白部分(折り返す部分)と 本体部分の剥離紙を分離しておく必要がある。
剥離紙だけ3cmの所で切れ込みをいれカットしておく。
折り返し部分は残し、楽譜の表紙にフイルムカバーを貼っていく
折り返し部分は剥離紙をつけたまま残し、表紙の端からフイルムカバーを貼り付けていく。
空気を入れないように片手でピタッと貼りながら、剥離紙(本体部の)を剥ぎながら貼っていく。
背表紙の所も、難なく貼れました。
【折り返し部分の剥離紙を残したまま、表紙の端からカバーを貼る】の図。
表紙 ⇒ 背表紙 ⇒ 表紙 で1周ぐるっとフイルムカバーを貼りました。
折り返しで重なる部分を斜めにカットする。
表紙外側はぐるっとフイルムカバーを貼りました。
次に、表紙の裏に折り返す部分を貼りますが、貼る部分が重なるとうまくないので
斜めにカットしていきます。
次に、見開き部分の真ん中の辺りも、カバーフイルムを斜めにカットします。 ↓
(この部分も折り返したときに重なるので)
折り返し部分を表紙の裏に折り返す。
斜めにカットして折り返し部分が重ならないようにしたら、いよいよ折り返していきます。
剥離紙を剥がし、空気が入らないように貼っていきます。
この時、厚みがある楽譜の場合、表紙が浮いてしまって貼りにくい場合があります。
そんな時は、100均のブックスタンドを使います。
厚みで浮いてしまうの図 ↓
下図の様にブックスタンドに楽譜を固定すると…
楽譜の浮いた部分が、平らになりました。この状態で貼るとやりやすいです。
完成!
こんな感じに仕上がりました!
ニチバン カバーフイルムで楽譜を補強!まとめ
まとめるとざっとこんな感じです。
1:折り返し部分込みの幅でカットする
2:折り返し部分に折り目を入れ、剥離紙を折り返し部と本体部に切り分ける。
3:表紙表から貼っていきぐるっと外表紙を貼り上げる(ただし折り返し部の剥離紙は剥がさない)
4:折り返し部と見開き部のカバーフイルムを、斜めにカットする。
5:折り返し部も貼っていく(その際楽譜が浮く場合はブックスタンドで固定)
6:完成!
カバーフイルムもどんなものを選んでよいか迷いますが、ロールタイプのものを選ぶといろんな状況に対応できて
いいと思いますよ!
楽譜の厚みを計算して、大丈夫そうならこちらのカバーもカットする手間が無くていいと思います!