2022年4月1日(金)
こんばんは。
今年度はじまりましたがどんな1日だったでしょうか?
PIYOPIYOの部署では新人の入社もなく、また退職した人もいないため、いたって普通の平凡な1日でした。
本題に入ります。
かねてから気になっていたが難しそうで触れなかった話題。
それは【脱力】です。
以前習っていたプロの先生の所で少し習っていたのですが、すぐ身につくものではなく、難しかった記憶があります。
自分でも、その先生から教えていただいた教本を購入し、いまはそれをたまに見ながらやっています。
未だに習得できていない脱力。
今後ピアノを続けるなら、そして上達したいなら会得しておいたほうが絶対良いはず!と思ったので、まとめてみることにしました。
脱力奏法まとめ
ピアノを習っているとよく聞く「力を抜いて~」という先生のお言葉。
力を抜くっていったいどうやって???
私が購入した本【ピアノのためのフィンガートレーニング】と、以前習っていた先生からのフィンガートレーニングの記憶を思い起こしてまとめてみます。
脱力はなぜ必要なのか。
脱力しているときの音は柔らかくて豊かに響く音が出るといわれています。
逆に、上から押さえつけるような弾き方だと、出てくる音も硬くて響かない音が出てきます。
また、脱力しないまま演奏していると、手首などに負担がかかり故障しやすくなるため、とのことで脱力はピアノ学習者にとって必須事項のようです。
椅子への座り方
私が習ったときに、よく先生が言っていた体の部位「丹田」
【丹田】・・・臍の下の下腹部の事。
私は以前、先生からよく「体の軸である丹田に力を入れて体を支えるので、ほかの部位は全部脱力できる」と習っていました。
骨盤をまっすぐ立てて椅子に座って、足裏まで床にしっかりつけた状態でいると背筋がスーッと1本通った感じになります。
上半身は丹田で支える、くらいの感じです。
で、よく先生に「丹田に力は入っている?」と聞かれて「ハイ」と答えると、
唐突に先生が私に体当たりしてきて、「ちょっとグラつきましたね?」と。
グラつくようでは、丹田への力の入れ方がまだまだとのこと。
たしかに、ただいま弾いているスケルツォでは、後半激しく和音が上に下に移動する箇所があり、素早く腕を次の時点に持っていかなければならないのに、丹田への力の入れ方がフニャフニャだと、軸もなく体がグラついてしまい、腕の移動も、和音の音もボロボロになってしまうんですね。
そういう時に、「丹田が大切って、このことかぁ~」と初めてわかったような気がします。
腕の脱力
よく先生に言われたのが、
「肩と指が1本の糸で繋がっているとおもって、指と肩で腕を支えて、そのほかの手首・前腕・肘・腕はだらーんと垂らして脱力してください。」
です。
脱力に慣れていないときはなかなかできなくて、つい手首などに力が入ってしまうのですが、だんだんできるようになってくると、鍵盤の上の指だけで腕全体を支えている感覚がつかめてきます。
まずは準備体操
なかなか実践できていませんが、フィンガートレーニングでは、まず体を緩めるところから始まります。
これは、野口三千三さんが考え出した体操です。
1:ジャンプしてしゃがみ込む、その際体は脱力しているのでグニャグニャしている。
2:次は、指の分離の時にも役立つ重心の移動を体に覚えこませる運動。
「片足だけで交互に立つ」 右足だけで立つ→左足だけで立つ→右左交互に繰り返す しっかり体重を片足に乗せる。
*ちょうど、赤ちゃんを抱っこしたまま寝かしつけようとしているおかぁさんが左右に揺れている感じです。
3:片手を頭の上にまっすぐ伸ばしていき、ずーっと体全体を伸ばして伸ばしきれないところまで伸ばしたら、急に力を抜いて、全身の力も抜くのでしゃがみ込む感じになる。
4:足を肩幅に開いて、上半身をゆっくり丸めていき脱力して、さらに首肩上腕の力を抜きぶ~らぶらする
と、このように全身の力を脱力するエクササイズをやっていきます。
腕の体操
腕も緩めなければならいので、両腕を目の高さまで上げ鍵盤上に落とす、ということをやっていきます。
また、手を左右に水平に放り出すような感じで、左右やっていきます。紐や鞭がしなるような感じで手を左右に放り投げだします。
手首の体操
体操というよりはストレッチに近いと思いますが、
1:指の付け根の関節の所までを鍵盤上に置き、肘をできる限り下げて手首を曲げてストレッチする。
2:手のひらをピアノの前板に当てて手首を曲げる。招き猫みたいな手首のままギューッとストレッチする。
指の体操
各指をドレミファソの鍵盤の上に乗せる。(打鍵はしない)
1:5の指を打鍵した後、5の指をピアノの外側に向かって垂直に伸ばす。指のストレッチと重心の移動を意識する。
慣れてきたら両手で行う。これを1~5の指全部でおこなう。
意外と大切な筋肉・関節
脱力奏法で大切な指の関節と言えば、「第3関節」です。
よく、手の形は卵を握ったように丸くしてね。と言われたことのある方も多いはず。
最近では、手の形はさほど問題にはならないようですが、打鍵するときに支えになる関節が、この第3関節と言われています。
で、このような手の形を作るには必要な手のひらの筋肉があります。
それは...
第3関節を動かせるようになるには、この虫様筋を鍛える必要があります。
わたしは、前に習っていた先生に、よく、「隙間時間ができたら、第3関節のゴリゴリが出るようにしながら指で何かを推して力を入れて筋力を鍛えなさい」と言われていました。
たとえば、運転している最中の信号待ち時間に、ハンドルを指1本でギューッ押す、とか、テレビ見ているときに、テーブルを指でギューッと押すとか、いろいろできることはある、と言われました。
鍛えることと脱力は相反するようですが、実は同じことで、指の力が無いところに脱力は成り立たないのです。
なぜなら、肩と指以外は力が抜けているために指で腕を支える必要があるから。
わたしは、これを先生から言われた後に、県内最大規模のヤマハに行って、こんな器具を買って帰りました。
一つ目は、これ。
そしてもう一つはこれ。
このように、指の力をつけるべく、手のひらの力をつけるべく、いろいろやりました。
でも、一番良いのは、じっくりとフィンガートレーニングをおこなったり、ピアノを弾いたりすることなのではないかと思っております。
脱力のまとめ
①丹田に力を入れて座る
②練習を始める前に体を緩める
③腕・手首・指の脱力もする。
④手のひら・指の筋力を鍛える。
とりあえず、腕の力を抜く話までまとめました。
指の分離については、また今度まとめようと思います。
また、今回紹介した本「ピアノのためのフィンガートレーニング」 藤本雅美著 は、全部やろうとすると1日かかってしまいそうな内容ですが、今日はこのトレーニング、明日はこのトレーニングという風に使うと良いと思います。
ツェルニーやハノンなども良い教材ですが、この本を1冊持っていたらこれからの脱力奏法に役立つのでは!と思い紹介しました。