買ったもの 音楽

調性(音楽)について。

2022年6月5日

発表会も終わり、ショパンのスケルツォとさようならした今、新たな曲のレッスンがはじまりました。

1時間のレッスンでやる曲はハノン以外ではこの二つ。

【ショパン エチュード op10-12 革命】

【ベートーヴェン ピアノソナタop-13 悲愴】

です。

この二つの曲、気が付けばどちらもハ短調【c-moll 】。偶然なのか先生の思惑なのか。

作曲家が違えど、調性が同じものは印象も一緒なのだろうか…とふと考えた時に、調性について調べたくなりました。

また、家にある本を参考にしながら考察したいと思います。

調性とは。

  • 調性は、まず長音階を基礎とする長調(major)と短音階を基礎とする短調(minor)と大別することができる。
  • 全調で24調ある。

曲の性格は調性でわかる?

以前も紹介したことのあるこの本

【挑戦するピアニスト 独学の流儀】

にも、調性について書いてあります。

参考:挑戦するピアニスト

……曲の性格というものは調性によって相当の所がわかる。…

 フラットの多い曲とシャープの多い曲とでは、同じ長調でもその性格が全く異なる。

 調として、

相対的にシャープが増える、またはフラットが減る → 明るさが増える、軽やかになる

相対的にシャープが減る、またはフラットが増える → 曇る、暗くなる、冷える、重くなる

 つまり、例えば変ト長調は曇って落ち着いた雰囲気だが、その異名同音である嬰へ長調は明るく、暖かな雰囲気があるとのこと。

【変ト長調】
    シューベルト<即興曲>OP.90-3
    ドビュッシー<前奏曲 第1巻>第8曲<亜麻色の髪の乙女>

【嬰へ長調】

    ショパン<舟歌>op.60
   ベートーヴェン<ピアノソナタ24番>

また、この本によると、ベートーヴェンのソナタ全集でも、ハ長調を中心として属調・下属調の曲を調べ聴き比べることで、フラットが多い曲、シャープが多い曲の性格の違いは如実である、と記載されています。

各調性のイメージ(YAMAHAの特集記事より)

ヤマハのサイトにある特集記事に、調性による性格についてのページがありました。

解説は「吉松隆氏」

自身の本でも「調整で読み解くクラシック」という本を書かれてます。

調性の感じ方は、演奏者一人一人違うと思いますが、こんな感じ方もあるというくらいで見ておいた方がいいかもしれませんね。

ハ長調(C-dur)   明るく真っ白なイメージで開放的
ト長調(G-dur) # 弦楽器がよく鳴る、春っぽいサウンド
へ長調(F-dur) ホルンが活躍、牧歌的な雰囲気を持つ
二長調(D-dur) # # 神(Deus)を連想させる、祝祭的な響き
変ロ長調(B-dur) ♭  ♭ 明るく軽やか、管楽器がよく鳴る
イ長調(A-dur) # # # ニ長調とともに作曲家に人気
変ホ長調(Es-dur) ♭  ♭  ♭ ベートーヴェンの影響大、「ヒーロー」のサウンド
ホ長調(E-dur) # # # # のどかな響きで自然をイメージさせる
変イ長調(As-dur) ♭  ♭  ♭  ♭ 黒鍵駆使のピアノ曲で、ショパンがお気に入り
ロ長調  (H-dur) # # # # # オーケストラでは不人気だが、ポップスでは多し
変二長調 (Des-dur) ♭  ♭  ♭  ♭ ♭ ピアノの小品に名曲が揃う
嬰へ長調 (Fis-dur) # # # # #   # 曲例はほぼ見当たらず、ポップスで多少あり
変ト長調 (Ges-dur) ♭  ♭  ♭  ♭ ♭ ♭ かろうじて有名曲は<ネコふんじゃった>
イ短調(a-moll)   ストレートな「陰り」が魅力の基本の短調
ホ短調(e-moll) # 愁いのある響きでセンチメンタルを誘う
ニ短調(d-moll) ドラマティックで「人生」を感じさせる
ロ短調(h-moll) # # 響きにくさが「暗い宿命」を描き出す
ト短調(g-moll) ♭  ♭ 暗い響きだが、ダイナミックな曲が多い
嬰ヘ短調(fis-moll) # # # くすんだ響きの個性的な曲が並ぶ
ハ短調(c-moll) ♭  ♭  ♭ 光の「ハ長調」と鮮やかな対比をなす影の短調
嬰ハ短調(cis-moll) # # # # くすんだ幻想を思わせる響き
ヘ短調(f-moll) ♭  ♭  ♭  ♭ 暗く重たい響きの中にドラマ性を帯びる
嬰ト短調  (gis-moll) # # # # # ほとんどの作曲家が選ばなかった貴重な調
変ロ短調 (b-moll) ♭  ♭  ♭  ♭ ♭ ごくわずかな使用例の中に名曲が並ぶ
嬰ニ短調 (dis-moll) # # # # #   # ほとんど使われない貴重な調
変ホ短調 (es-moll) ♭  ♭  ♭  ♭ ♭ ♭ 話題になったロック×クラシックの作品で聴ける

結局、ハ短調はどういう調なのか?

ショパンのバラード1番、ベートーベン悲愴ソナタ、ショパンエチュード革命、ショパンノクターン遺作、などありますよね。

吉松氏の解説では【光の「ハ長調」と鮮やかな対比をなす影の短調】とありましたが、うーん、私にはまだしっくりきません。

フラットが3つもあるから、まぁまぁ暗めだけど、フラット6つよりはマシかな、くらいです。

長調より暗い、という当たり前の事しかわかりませんが、これからこういう感覚も身につくのでしょうか…。

ちなみに、吉松氏いわく、「日本人は長調よりも短調の方がなじみやすい」そうです。

とりあえず、私が今までyoutubeにアップしたポピュラーソングの中にハ短調はなさそうです。

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